もうすぐ働き始めて4年目になりますけど、かかりつけ薬剤師とれますか?
年数的にはそろそろとれる時期になってきたね。
あとは認定薬剤師もとってるかな?
はい、バッチリです!
そうしたら、あとは患者さんとの関係性が作れているかどうかかな?
そこはまだ不安です・・・
では、かかりつけ薬剤師について、薬剤師目線と患者目線で考えていきましょう
かかりつけ薬剤師って何?
かかりつけ薬剤師とは、2016年から調剤報酬制度の中で評価されるようになりました。
概念としてはそれ以前からもありましたが、この機に広がっていきました。
なるべくいろんな薬局に行かずに、1か所で管理してもらいましょうという流れのもとのことです。
かかりつけじゃない場合とかかりつけの場合と違うの?
1回のやりとりだけをとれば、ほとんど変わりないと思いますよ
かかりつけ薬剤師とは特定の薬剤師にずっとみてもらうイメージです。
病院は通常、町のクリニックであれば医師はひとりなので、それと同じです。
かかりつけ薬剤師は、その時に処方された薬だけでなく、他の薬や、過去の薬なども含めて総合的に考えて対応することができます。
かかりつけに限らず服薬指導において、患者に「安心感を与えられるか(不安を取り除けるか)」、「情報を引き出せるか」が大事になってきます。
その情報の範囲が、単純に併用薬や、既往歴(いままでの病気の有無)だけでなく、家族構成、生活リズム、趣味などにも及びますが、その分トータルで考えていくことができます。
もちろん、かかりつけ薬剤師になるからと言って、全て話さなければならないかというとそういうわけではありませんので安心してください。
かかりつけ薬剤師って誰でもなれるの?
調剤報酬上のかかりつけ薬剤師には要件がいくつかありますが、
「薬剤師と患者との関係性」という意味では誰でもなれます。
調剤報酬上のかかりつけになるためには、患者に同意書を記入してもらう必要があります。
また薬剤師側にも以下のように条件があります。
基本的に同じ薬局で勤務していて、自己研鑽を積んでいる薬剤師像ですね
薬剤師からみたかかりつけ薬剤師のメリットとデメリット
メリット
その患者について深く知ることで、表面上だけでなく、踏み込んだ関わり方ができるようになります。
また踏み込んだ関わり方をするために、いろいろ知識を深めなくてはなりません。そのため薬剤師としてのレベルは上がるでしょう。
デメリット
反対にデメリットとしては、業務が制限されてしまう事です。かかりつけの患者をどれくらいもっているかにもよりますが、たくさんいればいるほど、服薬指導にかかる時間が増えてしまいます。
決してそれ自体が悪いことではありませんが、他の業務に時間をかけられなくなります。
1人あたりで考えても、通常の服薬指導よりも時間を使うケースは多いと思います。というよりほとんどかもしれません。
だからこその「かかりつけ」かとも思います。
解決方法としては・・・
- 他の薬剤師がいれば業務を分担する
- 薬剤師が1人だけだとすれば、薬剤師でなくてもいい仕事を事務員にシフトする
- 隙間時間を有効活用する
患者から見たかかりつけ薬剤師メリットとデメリット
メリット
複数人いる薬局の場合、必ずしも同じ薬剤師が対応するとは限らないですが、かかりつけ薬剤師の場合、基本的に同じ薬剤師がずっと対応してくれるため、顔なじみの関係になります。
そうすることで、より相談しやすくなると思います。
「医者には(聞きたいけど)聞けないから、薬剤師に聞いてみよう」って方は結構います。
薬剤師として、患者に信頼してもらえてるってのはありがたいことです。
1人しか薬剤師がいない場合はあえてかかりつけにしなくても・・・とも思いますが、薬剤師側からすると「たくさんの患者のひとり」というより、「かかりつけ患者のひとり」の方がより親身に対応してくれるのではないかと思います。
またかかりつけ薬剤師になれる薬剤師はある程度の経験を積んでいないと慣れないため、しっかり相談に乗ってほしい場合などには、薬剤師の質を見るひとつの目安かもしれません。
昔、薬局長に対応してほしいという患者がいましたが、
しっかりした薬剤師に対応してほしいということの表れだったかなと思います
デメリット
保険請求上、通常の管理料より数十円から百円程度高くなります。
※3割負担の場合で60円~100円
この負担をどうとらえるかは分かれるところかと思いますが、定期的にまた複数の病院からの薬をもらってる患者にとってはその価値はあるんじゃないかと思います。
今後も必要?
世の中にはたくさん薬局があり、たくさん薬剤師もいます。
そんな中、あなたのことを理解してくれている薬剤師はいますか?
お薬や健康のことを相談するなら、あまり知らない薬剤師か、よく知ってる薬剤師かどっちがいいですか?
それが答えかと思います。
かかりつけ薬剤師に限った話ではないのかもしれませんが、その人に相談したい、その人から薬をもらいたいっていう薬剤師であれば需要はあると思います。