2年に1回、4月に診療報酬、調剤報酬制度が改定されます。
今年も改定される年です。
時々ニュースでも見るけど、実際はどんな影響があるのかな?
薬剤師の中でもなかなかわかりにくいことが多いので、一般の方はもっと
わかりにくいと思います
そこで、今回は一般の方にも影響がありそうなところについて、
簡単にかいつまんで説明していきたいと思います
調剤報酬改定について
2年1回、診療報酬、調剤報酬と病院や薬局に関する制度が変わります。
適正な医療を提供するために、随時見直しがされています。
病院向け、薬局向けの細かな内容は別の方に任せて、こちらでは患者目線で、実際何が変わるのか考えていきたいと思います。
お薬代が安くなる
多くの薬の薬価(お薬そのものの値段)が下がります。
これに伴い、お薬代も安くなることが多いです。どれくらい安くなるかはお薬によってバラツキが大きく、お薬代には他の要素も加わってくるため何とも言えないところではあります。
薬局の頑張りで評価されている薬局では基本料が高くなるので、お薬代としても、もしかしたら若干高くなるかもしれません。そのときはこの薬局は頑張ってる薬局なのかなって思っていただければと思います。
ちなみに国から評価されている、頑張っている薬局とは・・・
湿布の枚数制限
2016年の改定以降、一度に処方できる湿布の枚数が70枚に制限されましたが、今回はこれが63枚までになります。
医療費削減が大きな理由になるかと思います。
多めにもらって家族や友人にわけてあげるなんてケースもよく耳にします。
処方されるお薬は、自分だけで使用するようにしましょう。
たくさん欲しいのに困ったわ~
70枚も63枚もそんなに変わらないじゃないか・・・?
さまざまな意見はあるかと思いますが、偉い人の話し合いの中でもっと減らしたい側と、そうでない側との綱引きでここらで収まったのかと思います。
今後の改定でもっと減ってくる可能性があります。
大切に使用してほしいと思いますが、それでもたりないときは市販薬で対応するのも1つかと思います。
大きいサイズ希望の場合はこちらで↓
リフィル処方せんの解禁
リフィル処方せんとは一定期間内で繰り返し使える処方せんという意味です。
つまり1度の受診で、何回も薬をもらえることができます。
海外では既に浸透している制度ですが、日本では初めての制度です。
メリット
まずは、患者の負担が減るという事。
2回目以降は、直接薬局に行けばいいので時間的にも、金銭的にも負担は減ります。
それが医療費削減にもつながります。
病院としては患者が減るので(←経営的にはデメリットな面も)医師の負担が減り、診療の効率化ができます。
今まで以上に薬局、薬剤師の活躍する場面が増えるかな・・・?
デメリット
対象になるケースがかなり限られている事。
症状が安定していて、制限のある薬が処方されていない患者だけになります。症状が落ち着いていても、睡眠薬や湿布が処方されているケースはリフィル処方ができません。
薬局によって対応が分かれそうな事。
2回目以降は医師に代わって体調の確認が必要になるし、場合によっては受診を促さなければならないこともあるでしょう。薬剤師にも今まで以上に知識、技量が問われます。
また、患者の受診自体は減ってしまうので、病院の経営を考えるとあまり進まないことがあるかもしれません。
当然、制限はいろいろありますが、新しい医療のあり方の1つになるのではないでしょうか?
これから始まるばかり制度なので、すべて上手くいくわけでもないし、たくさんリフィル処方せんが発行されるわけではないかと思いますが、医師と薬剤師の連携をとりつつ、実績を積んで制度を育てていければいいなと思います。
オンラインの推進
コロナ環境で、非接触での対応が進めれてきましたが、規制が緩和されて、より促される方向になります。
制度的な制限はなくなります。薬機法も絡んではきますが、促される方向性は間違いなさそうです。
現状、音声のみは不可(コロナの特別な例は除く)なので、電話でのやりとりでは対応できません。
そうすると、次の問題は医療を受ける側の機械面でしょうか?
現役世代でしたら、PCやスマホを使って映像付きでやりとりすることは慣れているでしょうが、高齢者にとっては少しハードルが高い気もします。
病院や薬局が近くにないような地域としては活用されていく制度でしょう。
全体的な普及という意味では、これもすぐにというより、今の現役世代が高齢者になる数年後に向けての制度かもしれません
電子的保健医療情報活用加算の新設
マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」の利用を推進していきます。
オンライン資格確認を活用する薬局で調剤を行われた患者に対して算定することができます。
マイナ保険証を利用するメリットは次の通りです。
薬局としては電子レセプト請求を行っていること、オンライン資格確認を行う体制ができてること、オンライン資格確認を行う体制ととっていることを掲示していることなどの条件があります。
まだ利用できる薬局は多くないのが現状ですが、今後増えてくる予定です。
(2022年4月時点で薬局の運用開始割合:27.6%)
2022年10月からオンライン資格確認についての加算がモデルチェンジしました。
詳細はこちら↓
近い将来こうなる?
リフィル処方せんが解禁になり、オンライン診療も緩和される。そして電子処方ももうすぐ運用開始される。
そうすると、病院に受診して、薬局によって薬をもらって帰るという、今では当たり前の流れが今後、大きく変わっていくかもしれません。
オンラインで診察をして、オンラインでお薬の説明を聞いて、お薬は宅配で届く・・・。
そんな風にもしかしたらなっていくのかもしれません。